再現不可?!万能の色!
今回のテーマは、入稿する前に知っておくといい印刷のことについてです。
予算と納期重視でネット印刷指定される方も多く、
印刷を知ることで納得できる方法を選んでもらえるようにしたいなあ、と思い、こちらに記しておきます。
ではQ&A方式で行ってみましょう!
Q:「印刷するのに必要なものって、何でしょう?」
A:「紙!」「インク!」
はい、だいたい正解です!
大抵の場合、紙にインクを使って印刷するのをご存知かと思います。
モノクロなら黒いインク一つで済みますね。
Q:「黒以外の色はどうしてると思う?
例えば、夕焼け色って言ったら赤も黄色もオレンジも、ちょっと紫とかピンクとか薄い青とかも入ってるよね?」
A:「そういうインクがある…?」
家庭用プリンターのインクタンクなど管理されてる方はご存知かと思いますが、
実は様々な色調表現は、4色のインクを掛け合わせて再現しています。
色混ぜ遊びなどの体験を覚えていますか?
例えば夕焼けのようなオレンジ色。
こちらは黄色(Y)と濃いピンク(M)の掛け合わせで作るので、
印刷に出す場合、選択肢としては"フルカラー"を選びます。
小さいポイントだけでオレンジが使われていても、選ぶものは"フルカラー"です。
(特色1色を指定して印刷することもできますが、その場合はその色だけ使うことになります。)
Q:「印刷に出して上がってきたものが
仕上がりイメージと違うのはなぜだろう?」
A:ざっくりいうとデータだから。
印刷に出すものは、今は全てをデータにして管理しています。
コンビニのカラーコピー機でも、家庭用プリンターでも、
一度データに分解しているんですよ。
そのデータにしていく過程で数値が決まりますね。
色合いはその数値次第となります。
なので
- きっちりスキャンできてる?(解像度の生合成/ゴミとり/影なし)
- データのカラーモード変更(いわゆるRGB→CMYK)してる?
特にパワポで作ってる方、ご注意!色の印象まったく変わります。 - CMYK化した時、印刷を見越した色調整をしたかな?
- どんな紙(インクの発色)に印刷する?→紙見本持ってる?
ってところをまずクリアしたいです。
Q:「"まず"ってことは他にも理由があるの?」
A:PC画面は光で再現されてるので、画面がどう見えてるかも意外と大事です。
画面って光なのですが、電気店のテレビ売り場っていろ〜〜〜んなテレビが並んでますが、
あれもそれぞれ違った見えかたしてますよね。
PC画面も同じように発光して色を再現してるので、
- モニター画面のメーカーがどこなのか?
- そのPCの置いてある部屋はくらいか?明るいか?
- 蛍光灯の部屋で見てるのか?
- 日光を受けてみてるのか?
- 時間帯は夕焼けの時間帯にみたのか?
などでも本当に色の見え方が違ってきます。
((friendly_name))はジブリ映画見ますか?
「ジブリ」「色彩設計」などググって画像みてください。
夕焼けの光を受けた時、影も長くなるし、ややくすむしで、
赤いものはノーマルの赤には見えなかったりします。
なのでジブリなどの表現の世界ではそう見えるように設計しています。
画面の色=自分が求める色と信じない方がいいです
もし信じたい場合は、ですが、電話ボックスみたいな暗室に、
色の再現性が取れたPC1台用意して、確認作業することをお勧めします。
リスマチックとか、街にある印刷の受付の隅っこには
このボックスが置いてあったりしましたが、今もあるのかな?
こちらがPC画面のキャプチャ画像
↓
こちらはそれを印刷したものをスマホで撮りました。
(つまりもうデータ化されている)
↓
室内 電球
室内 蛍光灯
外光 9月中旬17時 晴れ
並べるとこんな感じ。
(これも今この画面で見ているのですでにデータ化されたもの)
↓
Gがずいぶん違うかな。
そして印刷のことでも下記がポイントとなります。
その時の湿度や温度、インク総量のバランスで色の出方が変わります
湿度が高ければインクの乾きが遅いですし、温度があれば乾きがはやい。
4色インクの青が出やすければ(他に比べて圧倒的に青が残ってれば)
全体に青みのかった仕上がりになりやすいです。
要はインクは薬剤なので、
紙への浸透度と揮発との関係性で発色の再現度も変わるのです。
詳しくは印刷屋さんに聞いて欲しいところですが、
色は化学反応してるんだ、と思ってください。
だんだんややこしい話になってきましたね?
大丈夫です、もう終わりますから。
傾向をつかんでおくのが大事です。
それで、ネット印刷を使う場合、
よく見かける言葉お急ぎで少部数ならオンデマンド印刷で!というのがありますが、
オンデマンド印刷というのはインクを使いません。
トナーという熱で転写させる粉を使っています。
簡単にいうと性能のいいカラーレーザープリンターだと思ってください。
こちらもオフセット印刷以上に色に変化が起こりやすいです。
「ふう〜ん、なるほど。そこまでこだわんないなあ。
ちゃんと正しい情報が読めるように印刷できてればOK!」
…という場合は、今まで通りの入稿の流れでいいでしょう。
色にこだわりたい!どうやったら正確な色を再現できるの?
という場合は、印刷所に行って試し刷り(「校正を出す」、とか、「校正をとる」、といいます)
を何度かやってもらい、欲しい色になるまでインクの配合などを変えてもらいましょう。
その分時間と予算も必要になりますが、
印刷やさんはそこにもすごくプライド持ってお仕事されてるんで、
その姿勢を見るだけでもいい刺激をもらえます。満足度も100倍かもです!
スケジュールと予算にも反映しておこう!
これらの流れを想定してスケジュールも予算も抑えておくことをオススメしたいです。
印刷が身近になった昨今、ネット印刷にしか出したことないという方も多くなり、
印刷の流れや仕組みをほとんど想定していない方も多いんじゃないでしょうか?
というより知らない場合が多いのでは?と思います。
校正とるのはすごくオススメです。
万が一のミスも見つけられたり、完成度も上がります。
ちょっとしたミスも愛嬌、という場合は、校正取らなくてもいいかもですが、
そこは、事前のデータチェック、穴があくほどみてくださいね。
穴があくほどみても画面ではなく印刷して初めてわかることも多いですので、
プリントアウトしてみてくださいね。
ネット印刷のお試し(校正)ナシで入稿する場合、
色の再現度は潔く諦めましょう。
デザイナーの方でデータ上の彩度や明るさを上げて入稿することは可能ですが、
それも印刷工程からすると、気休めの対策にすぎません。
仕上がりの色へこだわりを持たれる方の場合は、そこに応えられるよう、
近くの印刷屋さんと一緒に進めるのが理想です。
ではでは今日はこの辺で。
データとインクの関係がわかっていると、納得できる方法を選べると思いますよ。
こちらラクスルのサイトで解説されてますので、お目通しください。
下記、個別相談の予定もどうぞご活用ください。
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